
立ち塞がる、信号機設置工事という難局 ~都市土木の現場を、いかに円滑に進行させるか~
自分たちで新たな歴史を刻む 担う責任の自覚と緊張感
プロジェクトは、プノンペン都における100ヵ所(うち64ヵ所は既存の信号机あり)の交差点に信号机を设置、交通管制センターと光ケーブルで接続して交通を制御、プノンペン都の交通円滑化を図るものである。住友电工グループは、2015年12月に予定されていた入札に向け、同年5月に现地调査を开始。そのときのメンバーが、后にプロジェクトリーダーとなる堀江正纯と、土木工事担当の丸谷浩一だった。二人ともタイやミャンマーのプロジェクトを経験していたが、今回はその内容も规模も大きく异なるものだった。

?今回のプロジェクトは、交通管制システムを導入するだけでなく、100ヵ所の交差点に信号機を設置するという土木工事があります。およそ400 本の信号柱を、交通混雑状態の都市の中で円滑に建てることが本当にできるのかどうか。それが、プノンペンの街中を視察して最初に感じた懸念材料でした」(システム事業部 グローバル業務グループ長 堀江正純)
堀江のその印象は丸谷も同様だった。

「道路も含め、既存インフラが未整備。この中で工事をやり遂げることができるかどうか。特に印象的だったのが、各種ケーブルが街中に無秩序に張られていたことです。それら公共のものであるケーブルの扱い方を見て、今回の工事は厳しい局面が少なくないことが予想されました」(住友電工システムソリューション(株) 道路情報システム事業部 事業推進部 主幹 丸谷浩一)
二人は先行きの不安を感じつつ、叁菱商事とともに価格および技术提案を行って入札に临み、2015年12月に落札。本格的にプロジェクトがスタートした。
「本プロジェクトは、海外の国の首都に自分たちの力で自分たちの製品?技术を导入するという、新たな歴史を刻む取り组みです。落札が决まった瞬间は喜びがありましたが、3分后には一気に责任感と紧张感に包まれました」(堀江)


都市の中で进められた信号机设置
コミュニケーションを推进力に
2016年2月、100ヵ所の交差点への信号机设置工事が开始された(64ヵ所の既存信号机は撤去し新设)。信号机设置工事の工事品质や工程を决定付けるのが、実际に工事を行うゼネコンである。カンボジアで多くの翱顿础(政府开発援助)案件に関わり、现地のゼネコンに精通していた事业パートナーの叁菱商事より、翱顿础案件を手がけ日本人との协働経験のあるゼネコンが绍介された。?そのゼネコンの力なくして本件完了はなかった?(堀江)と言う。
工事はまず、交差点を掘削し埋设管路やハンドホールを设置し、信号制御机に通信?电力を供给するケーブル敷设から始まった。顺次、基础工事、建柱の后、信号灯器を取りつけ、信号机を稼働させていった。この段阶では管制センターと接続していない状态だったが、?市民に新しい信号机を早く见せたい」というプノンペン都の要请によるものだった。しかし、地元で优れたゼネコンであっても课题は常に山积していた。その工事全体をマネジメントしたのが丸谷だ。
?交差点内での配線ケーブルはすべて地下埋設。プノンペン都の要望により、大部分の交差点で開削によって交通を遮断することなく工事を进めることができる水平ドリル工法で実施しました。しかし、プノンペン都から道路拡幅計画や新たな埋設など、当初設計と異なる要望が提示され、それに迅速に対応することが求められました。また信号機設置の局面では、民家や店舗の前での工事になり住民からのクレームが頻発。加えて、実際の現場作業員の問題がありました。やるべきことをやっているかどうかという作業の質の問題と、安全作業意識の薄さです?(丸谷)
丸谷はプノンペン都の各工事现场を日々巡回、下请业者のエンジニアや现场のリーダー、作业员と密にコミュニケーションを取って指导?确认しつつ工事を进めていった。その丸谷の姿势がプロジェクト当初の推进力でもあった。



