クラウド社会を支える光ケーブル ?時代が要請する高速大容量化に応える?

クラウド社会を支える光ケーブル ?時代が要請する高速大容量化に応える?

「汎用光ファイバ」「海底光ファイバ」
「光ケーブル」という事业ドメイン

クラウド社会を支えるネットワークの基盘となる光ファイバ。光ファイバは石英ガラスやプラスチックで形成される细い繊维で、中心部のコアとその周囲を覆うクラッドの二重构造で构成されており、光信号を全反射という现象によりコア内に闭じ込めた状态で伝搬する伝送媒体だ。电磁波に影响されないため通信安定性が高く、大容量かつ长距离伝送が可能という性质を持つ。住友电工グループは1974年に?光ケーブル」の製造を开始して以来、40年以上にわたり、多彩な製品を开発?提供してきた。

现在の住友电工グループ光通信事业のドメインは、「汎用光ファイバ事业」?海底光ファイバ事业??光ケーブル事业?に大别される。「汎用光ファイバ事业」および「海底光ファイバ事业」での対象製品は、光信号の伝送路である光ファイバ心线であるが、「光ケーブル事业」では极めて繊细な光ファイバ心线を捻り合わせて外被加工などを施し、屋内外での実用に耐え得る形态としたケーブルが対象製品である。したがって、それぞれのマーケットも异なってくる。汎用光ファイバはコモディティでありボーダレスであるのに対し、光ケーブルはエリアごとのカスタマイズが要求されるローカルな製品だ。住友电工グループにおいても、光ファイバはグローバル製品であるが、光ケーブルは、従来、国内市场向け製品(陆上用)と位置付けられていた。もう一つの?海底光ファイバ事业?は、住友电工グループの独创の技术が开拓したともいえるドメインであり、世界狈辞.1シェアを确保している。

海外市场を主戦场とする光ファイバ
「超多心」と「极低损失」が生む差别化

日本国内では、1980年代から光ケーブルの敷设が始まり、现在はほぼ全国を网罗。したがってこれからの汎用光ファイバの主戦场は海外となる。世界的に见ると、光ファイバ市场は拡大倾向にあり、特に中国市场の伸长が目覚ましい。住友电工グループにおいても、10年前と比べて国内、海外の売上比率は逆転しており、现在ではおよそ75%が海外市场向けだ。中国市场も収益に大きく寄与している。现在、住友电工グループの光ファイバのシェアは、世界トップグループの一角を占めるが、シェア拡大のみが目指すところではない。光通信事业部长の末森茂は、社会と顾客のニーズにいかに応えるかが重要であると言う。

?今后、光通信システムに求められる要素は、高速大容量、低遅延*性、高信頼性の3つに绞られます。これらをハイレベルで実现するのが我々のミッションと考えています。たとえば高速大容量。その実现のために重要なことの一つは伝送损失を极限まで低减すること。これにより受信感度が改善され、より多くの光信号を送ることができます。また一本のケーブルの中に多くの光ファイバを収纳できれば、効率的な高速大容量化が可能となります。これを具体化した製品が超多心光ケーブルですが、?超多心」と「极低损失」の実现が高速大容量化には非常に重要で、竞合他社との差别化のポイントであり、现在、当社が最も注力している取り组みです」

* 遅延:伝送経路のエンド?トゥ?エンドで要する信号の伝達時間のこと。

情报通信事業本部 光通信事業部長 末森茂
情报通信事業本部 光通信事業部長 末森茂
情报通信事業本部 光通信事業部長 末森茂

マーケットで进むパラダイムシフト
クラウドサービスとデータセンタ

末森の言叶の背景にあるのがマーケットの剧的な変化だ。従来、光ケーブルのユーザーは主に通信キャリアだった。しかし时代の変化に伴い、パラダイムシフトが起こりつつある。それが、冒头で指摘した「クラウド?コンピューティング?の进展であり、クラウドサービスを提供するプロバイダーが有するデータセンタの存在だ。これらサービスプロバイダーは、米国を拠点に最先端滨罢を武器としてグローバルに事业を展开する巨大滨罢公司であり、彼らは今、光ケーブルを自ら保有し运営するユーザーになりつつある。単に膨大な情报を流通させ、ソフトウェアやストレージ?サーバなどの滨罢リソースを提供するだけでなく、それらの情报はビッグデータとして事业戦略の重要な资源ともなる。彼らが保有するデータセンタの多くは、サーバを数万?数十万台有する、まさにハイパーな规模だ。そして、ローカルに群立する复数のデータセンタ栋を接続する役割を担うのが高速大容量の光ケーブル、すなわち、末森が指摘した?超多心光ケーブル?だった。次章では、住友电工グループが成し遂げた光ケーブルの超多心化の具体的な取り组みを见てみたい。

出荷を待つ「3456心ケーブル」(左:ケーブル製造部長 岡田武彦、右:技術部長 天野亜夫)
出荷を待つ「3456心ケーブル」(左:ケーブル製造部長 岡田武彦、右:技術部長 天野亜夫)

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?超多心化?の実现が新たな世界を拓く
?データセンタをつなぐ光ケーブル?

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